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青空文庫 派生プロジェクト
あさっての向かい風



「なぜ(自分は)Unicodeに関心をもったのだろうか」……と、あらためてふりかえってみると、「ここ」にそのきっかけがありました。なつかしいメールです。当時、わたしの頭のなかは「JIS X 0213」のみで、「Unicode」に関してはまったく念頭になかったのが、わかっていただけると思います。

この意見に対して、当時、LUNA CATさんから明確なお返事をいただきました。
これが、現在の活動へとむすびついたんですね。文字コードの問題と青空文庫の活動方針が明瞭に要約されており、このときはじめて、問題の本質に気がついたのだと思います。「問題の本質」……というよりは、進む方向をしめしてもらった、ということになります。

2002. 5. 4 志田




メール「明日の本棚・新JIS漢字(J IS X 0213)の使用に関する質問です」
2001.10.28 志田

青空文庫のみなさんへ
こんにちは。おせわになってます。

明日の本棚・新JIS漢字(JIS X 0213)の使用に関する質問があります。「工作員作
業マニュアル」と「新JIS漢字時代の扉を開こう!」を読んでも、しっくりいかない
ことがあったものですから。(まとはずれな質問ならば、ご容赦ください)



【個人的には】
□新JIS漢字(JIS X 0213)・明日の本棚積極推進したい派です
□新JIS環境(KandataとHabian・硯箱)整備済みです



【疑問】
□明日の本棚「新JIS漢字時代の扉を開こう!」では新JIS漢字活用が提唱されていま


□「青空文庫工作員作業マニュアル」では、積極的な新JIS漢字使用をよびかけて…
…ない?(みあたりません)

□「だれ」が「どの時点で」テキストの入力を明日の本棚仕様にすればいいのか、不
明瞭だと思います

□考えられる主体は、「入力者」「校正者」「ファイル制作者」はたまた「新JIS漢
字推進者」か

□スタンダードなJIS X 0208仕様であれば、作業にたずさわるすべての人が無条件で
対応できるのに対して、「マイナーな新JIS漢字仕様では、あと工程がスムーズに流
れないのでは?」とか「読者が限定されてしまうのでは」という危惧がうまれるため
に、利用にブレーキがかかりがちなのではないでしょうか

□「最初から相談なしで新JIS漢字仕様で入力してもかまわないのか」「まずはJIS X
0208仕様で仕立てるのが前提で、そののちにファイル制作者が新JIS漢字仕様に加工
するのが一般的なのか」「校正者が新JIS漢字仕様に加工してはいけないものだろう
か」などの疑問がうまれます

□ファイル制作者にばかり加工・変換の負担が集中してしまうと、数をこなすことが
難しくなると思います

□作字不要・埋め込み不要のほうがだんぜん加工作業がラクだと、しろうと(わたし)
は思うのですが

□明日の本棚候補作品は、著作権の有効期限からいえば多くもあり、こんにちの日本
語環境からいえば少なくもあり……



【結論】
□フローチャートによる説明によって、作業分岐を示すことを提案します

□第3第4水準漢字が頻繁に(あるいは、ひとつでも)出てくる作品は、明日の本棚候
補とし、「新JIS漢字時代の扉を開こう!」にそった入力を推奨することを「青空文
庫工作員作業マニュアル」のなかにも示すことを提案します

□入力中・校正待ちの作品が、0208仕様か明日の本棚仕様か示すことを提案します
(ファイルサイズもしくは文字総数を示すことにも賛成します!)

□それとも、明日の本棚専用の「入力中の作品」を開設したほうがいいでしょうか
(既存の表内には「明日の本棚へ移動」などと注記を示すとか)



青空文庫のみなさんの活動成果のひとつが、JIS X 0213だと思っています。明日の本
棚が新設されたときにもたいへん興奮し、感動しました。これから入力されるテキス
トは、つぎつぎに明日の本棚へ登録されるのか、とも誤解していたくらいです。

明日の本棚へは、そんな期待があるものですから、現状の登録ペースを拝見していて、
なんだか運行がはかばかしくないように感じられるのがいつわりのないところです。

また、個人的に幸田露伴の作品にたずさわったことが、いやがおうでも JIS X 0213
を積極的に考えるきっかけになりました。

方法は、いろんなのがあっていいとおもいますので、ほかの工作員のかたたちや、青
空文庫利用者に、ひろく意見をきいてみるのもいいかもしれませんね。

お返事、お待ちいたします。
また、ご検討、おねがいいたします。



2001.10.28 Sun
志田火路司



メール「Re: 明日の本棚・新JIS漢字(JI S X 0213)の使用に関する質問です」
2001.10.28 LUNA CATさんからの返事

志田火路司さま

LUNA CAT@青空文庫です。

新JIS漢字使用に積極的ご理解をいただきまして、ありがとうございます。
ご質問の件、いろいろと説明すると長くなりますので、とりあえず、
おおざっぱにお返事いたします。

新JIS関連の事情は、現時点では、

・青空文庫としては、すぐにでも新JIS漢字対応を進めたい

・しかし、相手がコンピュータゆえ、マシン自体の新JIS対応に
 依存することになる

・OSやハードの対応状況としては、現実問題として、Windowsと
 Macintoshとで歩調が異なっている
 (このあたりは、OSとハードのメーカーを兼ねるAppleと、
 分業体制のWindows陣営とでは、自ずと違ってくるのだろう)

・先行きの展開が不透明な状況下では、青空文庫として公開する
 ものは、当面はJIS X 0208の範囲にとどめておき、将来の、ある
 時点で一斉切り替えをしたほうが、混乱が少ないだろう

といった次第です。

具体的には、

・現在の「明日の本棚」は、DOSの時代から採用されてきたシフトJISに
 対応している

・そのため、2000年の秋という早い時期に、公開を開始することができた

・そのいっぽうで、新JISの「本流」は、Windows XP や Mac OS X に
 代表されるUnicodeとなるだろう

・Unicodeの世界の新JIS対応は、ことが日本国内のみの話ではないだけに
 混沌としているのが現状

ということになります。

加えて、WindowsやMacintoshのみならず、読書機器としてのPDA市場も、
急速に拡大してきました。新JISが設定された昨年の始めに比べても、
状況は大きく変化しています。
この分野は、各メーカーが乱立していたパソコンの黎明期と同様、
デファクトスタンダード的なものが存在していません。

そんなこんなで、しばらくは、二重作業や手戻りが発生するのを最小限に
抑えるためにも、「外部の環境が落ち着くのを待つ」といったところです。

そういった事情から、

・ベースとなるテキストファイルは、当面、0208ベース
・0213対応は、状況がある程度落ち着いてから、効率良く作成したい

という方針ですすめています。

0213がパソコンの世界で正式に市民権を得たあかつきには、大がかりな
新JIS化がすすめられていくでしょう。
その際には、ぜひとも、御提案を活かした作業体勢をしいて、ことに
あたりたいと思います。

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LUNA CAT
(略)
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